探偵と警察の違いについて考えたことはありますか?
テレビドラマや小説などでは、探偵が活躍する姿がよく描かれています。一方、私たちの日常生活の中では、警察官の姿を目にすることが多いでしょう。
しかし、探偵と警察官は、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、探偵と警察の役割や権限の違い、そして探偵に依頼することのメリットなどについて詳しく解説していきます。
探偵と警察の扱う案件の違い
探偵と警察の最も大きな違いは、扱う案件の種類です。
探偵は民事案件を、警察は刑事案件を扱います。
民事案件とは、個人間のトラブルや問題のことで、具体的には以下のようなものがあります。
一方、刑事案件とは、犯罪に関わる事件のことで、具体的には以下のようなものがあります。
- 殺人や傷害などの凶悪犯罪
- 窃盗や詐欺などの財産犯罪
- 薬物犯罪
- 交通事故や違反
このように、探偵と警察では扱う案件の種類が大きく異なります。
探偵と警察の権限の違い
探偵と警察の違いは、扱う案件だけではありません。両者には、与えられている権限にも大きな違いがあるのです。
警察には、法律によって与えられた「捜査権」と「逮捕権」があります。
捜査権とは、犯罪の疑いがある場合に、事件の真相を解明するために必要な調査を行う権限のことです。具体的には、以下のような行為が認められています。
- 被疑者や参考人への事情聴取
- 証拠品の収集や押収
- 家宅や車両の捜索
- 通信傍受(裁判所の許可が必要)
逮捕権とは、犯罪の嫌疑がある者を身柄拘束する権限のことです。逮捕には、以下のような要件があります。
- 現行犯または準現行犯であること
- 逮捕状が発布されていること(緊急逮捕の場合を除く)
一方、探偵には、このような特別な権限は与えられていません。
探偵が調査を行う際には、一般の人と同様に、法律の範囲内で活動する必要があります。
具体的には、以下のような制限があります。
- 他人の敷地内に無断で立ち入ることはできない
- 他人の私生活を不当に侵害してはいけない
- 違法な手段で情報を収集してはいけない
このように、探偵は警察と比べて、調査活動に大きな制限があるのです。
警察が対応できない案件とは
前述したように、警察には捜査権と逮捕権という強力な権限があります。しかし、だからといって、警察がすべての案件に対応できるわけではありません。
警察が対応できない代表的な案件として、以下のようなものがあります。
1. 犯罪が成立していない段階での調査
警察が捜査を開始するためには、「犯罪の嫌疑」が必要です。
例えば、以下のような場合は、警察が対応に乗り出すことが難しいでしょう。
- 配偶者の浮気を疑っている
- ストーカー被害を受けているが、明確な脅迫行為はない
- 子どもがいじめにあっているようだが、確証がない
2. 被害者からの被害届がない案件
警察が捜査を開始するためには、被害者からの被害届が必要なケースが多くあります。
例えば、以下のような場合は、被害者が被害届を出さない限り、警察は動くことができません。
- 配偶者からDVを受けている
- 詐欺被害にあった
- 器物損壊などの被害を受けた
被害者が被害届を出さない理由としては、以下のようなものが考えられます。
- 加害者との関係を考慮している
- 被害届を出すことで、さらなる被害を受けることを恐れている
- 警察に相談することに抵抗がある
このように、警察は強力な権限を持っていますが、法律の制約もあるため、すべての案件に対応できるわけではないのです。
探偵に依頼することのメリット
ここまで、探偵と警察の違いについて見てきました。では、実際に探偵に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
1. 警察では対応できない案件にも対応可能
前述したように、警察は法律の制約があるため、対応できない案件があります。
一方、探偵は民間の調査員であるため、警察よりも幅広い案件に対応することができます。
例えば、以下のような案件は、探偵に依頼することで解決に近づくことができるでしょう。
- 浮気や不倫の証拠収集
- 行方不明者の捜索
- ストーカー行為の立証
- いじめの実態調査
2. 警察に相談するための証拠収集が可能
警察に相談する際には、ある程度の証拠が必要となるケースが多くあります。
しかし、一般の人が自分で証拠を集めることは容易ではありません。
そこで、探偵に依頼して証拠を収集してもらうことで、警察に相談する際の説得力を高めることができます。
例えば、以下のような証拠を探偵に収集してもらうことができます。
3. 依頼者のプライバシーが守られる
探偵は、依頼者との契約に基づいて調査を行うため、依頼者のプライバシーを守る義務があります。
探偵に相談したことが外部に漏れる心配はありません。
一方、警察に相談した場合は、捜査の過程で関係者に事情を聴取されるため、プライバシーが守られないリスクがあります。
特に、浮気や不倫、ストーカー被害など、デリケートな問題については、探偵に相談する方が安心できるでしょう。
4. 柔軟な対応が可能
警察は公的機関であるため、法律や規則に基づいた対応しかできません。
一方、探偵は民間の調査員であるため、依頼者の要望に応じて柔軟な対応を取ることができます。
例えば、以下のようなことが可能です。
このように、探偵は依頼者のニーズに合わせて柔軟な対応ができるため、問題解決の選択肢が広がります。
探偵に依頼する際の注意点
ここまで、探偵に依頼するメリットについて見てきました。最後に、探偵に依頼する際の注意点についても触れておきましょう。
1. 探偵業者の選び方
探偵業者を選ぶ際は、信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があります。
探偵業は、誰でも簡単に始められる職業ではありますが、一方で悪質な業者も存在するのが現状です。
探偵業者を選ぶ際は、以下のような点に注意しましょう。
- 探偵業の届出を出しているか
- 探偵業協会に加盟しているか
- 調査員の経験や能力は十分か
- 調査料金は適正か
- 契約書や報告書などは明確か
安易に探偵業者を選ばずに、信頼できる業者を見つけることが重要です。
2. 調査の限界を理解する
探偵に依頼すれば、どんな問題でも必ず解決できるわけではありません。
探偵にも調査の限界があり、100%の証拠を収集することは難しいのが現実です。
依頼者は、探偵の調査には限界があることを理解したうえで、現実的な期待値を持つ必要があります。
探偵に依頼するメリット
事件性の有無に関係なく調査が可能
警察は事件性がはっきりしないと動いてくれないことも多いですが、探偵は依頼者の要望に合わせて柔軟に調査を行います。
警察が動くための決定的な証拠を集められる
特にストーカー被害などは証拠を掴むのが難しく、警察の介入が遅れることで被害が深刻化するケースがあります。
探偵なら事前に証拠を取得し、警察に事件として認知させるための材料を提供できます。
費用がかかる分、調査への熱量が高い
費用がかかる分、調査への熱量が高いという点です。
警察は公的機関のため基本的に無料ですが、数多くの事件を同時に扱うため1つの案件に集中しきれないこともしばしば。
一方、探偵は報酬を得る対価として、一つ一つの依頼に全力で取り組みます。
このように事件の内容や進み具合に応じて、警察と探偵をうまく使い分けることが問題解決の近道となります。
お金はかかりますが、探偵に依頼することで、早期の解決や泥沼化の防止につながるケースは少なくないのです。
まとめ
探偵と警察の大きな違いは、探偵が民事事件、警察が刑事事件を扱うことにあります。
警察には捜査権や逮捕権があり、事件発生後の捜査を行えますが、事件性がない事前調査や民事事件は調査できません。
一方、探偵には特別な権限はありませんが、浮気や家出人の捜索、証拠収集など、警察が手を付けられない民事案件を調査できます。
探偵は調査費用がかかる分、熱心に取り組み、警察に介入してもらうための事件性の証拠を収集することができます。
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